渋谷ヒカリエ特集

渋谷に新たに誕生する複合施設「渋谷ヒカリエ」。その魅力のすべてに迫る!

ヒカリエ誕生物語 vol.1 新しい価値を創造、発信していく場にしたい

もう一度渋谷を、幅広い世代から支持される街にしたい。

「幅広い世代から支持される街」を目指すという渋谷ヒカリエ(渋谷駅へと延びる貫通通路の完成イメージ)

 「渋谷東急文化会館」のDNAを21世紀に引き継ぐ複合施設「渋谷ヒカリエ」。その名は、“渋谷から未来を照らし、世の中を変える光になる”という意志を込めたものだ。開発コンセプトは、「新しい価値を創造、発信していくプラットフォーム」を目指す…平たく言えば、“もっと渋谷を元気にしたい”ということになる。
 現在、渋谷を訪れるのは若者が中心で、30代以上の女性が訪れる機会が特に減っているという。そんな中、「もう一度渋谷を、幅広い世代から支持される街にしたい」との強い思いからヒカリエのプロジェクトが始まった。ではヒカリエとは、一体どんな施設になるのか。前回に続き、東京急行電鉄株式会社 都市生活創造本部の下山洋一さんに聞いた。

人が来て、参加して、何かを生み出していく場所にしたい。

「いろんな人たちがここに来て、つながって、何かを生み出していく、そんな場所にしたい」と下山さん

 ヒカリエのフロア構成から見ていこう。地下3階〜地上5階はショッピングエリアとなる。新しい渋谷のエントランスにふさわしい洗練されたショッピングゾーンを東急百貨店がプロデュースしていく。6〜7階はカフェ&ダイニング。特に下山さんたちが“たまる場”と表現する7階は、13店のすべてがカフェになるという。週末は深夜営業も行われる予定なので、エンターテインメントを楽しんだ後でもゆっくりと落ち着いて食事やお酒が楽しめる場になりそう。
 8階のクリエイティブ・ラボは、若いアーティストと社会をつなぐショーケース。彼らが行うイベントや展示を通して、人材育成の場としても機能させたいと意気込む。9〜10階のエキジビションホールは、世界に向けたプレゼンテーションの場。新商品の発表会やファッションショー、展示会など、さまざまなイベントが展開されるはずだ。
 11〜16階には、中核施設「東急シアターオーブ」が誕生する。“渋谷の新たなライブエンタテイメント拠点に”をモットーに、本場のブロードウェー・ミュージカルなどを上演する。そして17〜34階がオフィス。大企業からベンチャーまでさまざまな企業の参入が予想される。「施設内でお互いに刺激し合って、仕事や日常に生かしてほしい。それをきっかけにしてビジネスの新たな価値が生まれればいいと思います。いろんな人たちがここに来て、つながって、何かを生み出していく、そんな場所にしたい」と下山さんは熱く語る。

日本の優れたものを紹介しながら渋谷らしいメッセージを発信する。

 ヒカリエのルーツとも言うべき東急文化会館は、最先端の娯楽や情報を“提供する場”だった。だがヒカリエは、さらに一歩進んで、娯楽や情報を提供しながら“新たなものを創造し、発信していく場”を目指している。下山さんは「ヒカリエはトレンドだけを意識するものではありません。流行に流されるのではなく、日本の優れたものを紹介しながら渋谷らしいメッセージを発信していく。それがヒカリエの目標なのです」と力強い言葉で結んだ。

文=田中雄二
写真=林 正