渋谷ヒカリエ特集

渋谷に新たに誕生する複合施設「渋谷ヒカリエ」。その魅力のすべてに迫る!

ヒカリエ誕生物語 Vol.4 ヒカリエホールは、渋谷の中心にあるショーケース

駅直結、都内最大級のホールは、ヒカリエの上部と下部をつなぐ架け橋。

 渋谷駅に直結した都内最大級のイベントホール「ヒカリエホール」は、「渋谷ヒカリエ」9~10階に位置し、1000m²と300m²の大小二つのホールで構成される。完成後は、渋谷から世界に向けたプレゼンテーションの場として、多彩なイベントが行われることになりそうだ。今回は、同ホールの設計コンセプトを株式会社日建設計 設計部門 設計部の片瀬雪乃さん、運営面を東京急行電鉄株式会社 都市生活創造本部 渋谷開発事業部 事業計画部の谷本あづみさんに聞いた。
 四方を急な坂に囲まれている渋谷では、既存のホールはいずれも坂の上にある。そこで、“大ホールを利便性のいい街の中心に持ってくる”というのが、ヒカリエホールの基本コンセプトになった。さらにこのホールは、ヒカリエの上部(東急シアターオーブとオフィス)と下部(ショッピングゾーン)をつなぐ架け橋の役割も担う。つまり、“ヒカリエのへそ”なのだ。

“渋谷の街全体をジャックする中心的な存在”として使ってほしい。

「さまざまなものが交わる交差点に」と片瀬さん
「自分色に染めて使ってほしい」と谷本さん

 伝統的なホールの設計には、エントランスの次に天井の低いロビーを置き、その先に天井の高い大きなホールを作るという演出法がある、と片瀬さんは語る。そうすることで訪れた人にホールに対する強いインパクトや驚きを与えることができるのだ。ところがヒカリエホールの場合、渋谷の街を見渡すガラスのファサードを生かし、ロビーも天井高7mの大空間として開放した。「明るくて開放感があって、空と街につながっているという感覚を大切にしました。でも、やはりお客さまにはホールに入った瞬間に『おぉっ!』と驚いていただきたいので、ロビーからホールに入る部分にゲートを作り、ホール内の天井の低い部分につなげました。低くて狭い空間を通って大きなホールに出るという伝統的な演出も取り入れたわけです」と片瀬さんは秘密の一端を明かした。
 また、「多様なイベントに対応できるホールにしたかったので、極力シンプルなつくりを心掛けました。内装もグレーとブラックが基調です。ただ、さまざまなものが交わる交差点になるように、との思いを込め、壁面には質感の違う4種類の素材を使いました。全体的には“きれいな箱を作る”というイメージです。その箱に、個性の強い人たちが集まっていろいろな色を付けていく。そんな場所にしたいと思います」。半面、昇降するバトン、スポットライト、音響設備などイベントを演出する設備は、他を上回るラインアップをそろえた。
 一方、谷本さんは、渋谷の街やヒカリエ内外のメディアと連動したイベント企画についてこう語る。「ほかの街ではホールを借りてプレゼンするだけですが、渋谷にあるこのホールなら、東急の持っている屋外の広告媒体と連動して、街全体で商品をプロモーションしていくことも可能だと思います。大げさに言えば、“渋谷の街全体をジャックする中心的な存在”としてこのホールを使ってもらえれば、と考えています。それがこのホールの強みにもなります。ほかの街ではできないことが渋谷ならできるんです」。
 さらに、「もともと渋谷は、多様なものが集まって楽しくなっている場所なので、それを象徴的に見せられるホールになれればいいなと。そして、さまざまな人たちがいろいろな方法でアレンジして、自分色に染めて使ってほしいですね。私たちは設備を含めた環境を整え、ホールの使い方を提案していくことで、ここを勝負の場に選んでくださったお客さまをフルサポートしていきます」と結んだ。

毎日がお祭り、日替わりで出し物が変わる“渋谷の街のショーケース”。

ヒカリエホールのキャッチフレーズは「駅を降りたらすぐ目に入る空中のショーケース」と言う二人

 最後に片瀬さんと谷本さんに、ヒカリエホールのキャッチフレーズを聞くと、“駅を降りたらすぐ目に入る空中のショーケース”という答えが返ってきた。「渋谷の街をウインドーショッピングするような感覚で、今日は何をやっているかな?と興味を持ってもらいたい。多様なものが集まる街のショーケースなので、中に入るイベントは何でもOKです」とのこと。イベントホールにはなじみの少ない人も多いだろうが、ここは日替わりで出し物が変わるので、とても楽しい場になるはず。毎日がお祭りのヒカリエホールは、新たな可能性に満ちあふれている。

文=田中雄二
写真=林 正