渋谷ヒカリエ特集

渋谷に新たに誕生する複合施設「渋谷ヒカリエ」。その魅力のすべてに迫る!

ヒカリエ誕生物語 Vol.7 ロックンロールの四天王、2012年9月、渋谷に降臨

"見るミュージカル"の後は、ホットな"聴くミュージカル"で。

 「渋谷ヒカリエ」11〜16階に来夏誕生する「東急シアターオーブ」では、こけら落とし公演(2012年7月18日〜8月5日)の『ウエスト・サイド・ストーリー』に次ぐ第2弾として、先ごろ、ブロードウェイの新作ミュージカル『ミリオン・ダラー・カルテット』(9月上旬〜中旬)の上演を決めた。前回に続き、株式会社 東急文化村 文化街区新劇場開業準備室の時村晋太郎さんに、『ミリオン・ダラー・カルテット』の見どころやストーリーについて聞いた。「こけら落としがクラシカルで"見るミュージカル"の代表である『ウエスト・サイド・ストーリー』ですから、第2弾は対照の意味も込め、ホットな新作で"聴くミュージカル"の『ミリオン・ダラー・カルテット』を選びました」と時村さんは言う。

「演奏場面がすごい」「生演奏の迫力が素晴らしい」プログラムに。

舞台は1956年12月4日、テネシー州メンフィス。スタジオで偶然顔を合わせた"ロックンロール四天王"が幻のセッションに興じる

 『ミリオン・ダラー・カルテット』の舞台となるのは、1956年12月4日のテネシー州メンフィス。この地は、本作の主役の一人であり、"キング・オブ・ロックンロール"と呼ばれたエルヴィス・プレスリーが13歳から住んだ町で、彼の墓所もこの地にある。

 原題のカルテットには四重奏や4人組みという意味があるが、本作の"4人"とは、『ハートブレイク・ホテル』『冷たくしないで』『ラヴ・ミー・テンダー』など数々のヒット曲を持つプレスリーを筆頭に、著名なカントリー歌手で、その半生を描いた映画『ウォーク・ザ・ライン 君につづく道』(05)でも知られるジョニー・キャッシュ、『ブルー・スエード・シューズ』などを作曲し、ビートルズにも大きな影響を与えたカール・パーキンス、『火の玉ロック』をはじめ、曲芸のようなピアノ演奏を披露したジェリー・リー・ルイスの4人のこと。"ロックンロールの四天王"と呼ばれた男たちだ。
 本作は実話を基に、4人がメンフィスのスタジオで偶然顔を合わせ、セッションを繰り広げた"幻の一夜"の成り立ちや裏側を描いていく。4人それぞれの思惑や情熱が交錯する様が、ロックンロールの名曲をバックに再現される。
 時村さんは、「今回の舞台では、ミュージシャンとしても活躍している人たちが4人を演じているので、とにかく演奏場面がすごい。生演奏の迫力が素晴らしいです。それから、ジェリー・リー・ルイス独特のピアノ演奏など、さまざまなパフォーマンスも楽しい。観客に音楽を体感してもらうという意味でも、シアターオーブの"聴きやすさ"を生かした演目と言えるでしょう」と語った。
 また本作は、昨年ブロードウェイで開幕したばかりの新作。ブロードウェイ、ロンドン、カナダに続く公演となり、本場の熱気を間髪入れずに伝えるという意味でも価値がある。ちなみに本作は、トニー賞に作品賞などでノミネートされ、ジェリー・リー・ルイス役のリーヴァイ・クライスは助演男優賞を受賞している。

ロックンロールの名曲がめじろ押し、世代を超えて見てもらいたい。

「ミリオン・ダラー・カルテット」セットリスト

 「ロックンロールの名曲がめじろ押しですから、音楽を聴くだけでも楽しめるし、4人の人柄や名曲の裏側を知ることもできます。ミュージカルファン、ロックンロールファンどちらの心もくすぐる演目だと思います」と時村さん。セットリストに掲げられた、きら星のごとき名曲の数々を見れば、納得だろう。

 時村さんは最後に、「会社の部長さんと若い部下が仕事帰りに一緒に、といったように、世代を超えて見ていただきたいですね。字幕も出ますし、上演時間が約1時間半と短めなので、初めての方も気軽に来てもらえると思います。観劇前後の時間を満喫できるような企画も考えています。ライブに行くような気持ちで来てほしいですね」と結んだ。

文=田中雄二
ALL PHOTOS: Million Dollar Quartet Original Broadway Cast (Photo by Joan Marcus)